ROM訓練(関節可動域訓練)は、自力で身体を自由に動かすことが難しい患者さんが関節の拘縮・変形を起こさないために実施する訓練です。

施術を行うものが患者さんの手足を支えながら施術者が主導となって動かす「他動運動」や患者さんが自らの力で動かす「自動運動」の2種類があります。

ROM とは

ROM とは、Range of motion の略で、関節可動域という意味です。
身体に障害を負ったり、加齢により運動能力が低下すると関節の動く範囲が狭くなり、ROM が制限されてしまいます。
また ROM に制限を受けて関節拘縮が生じてしまうと日常生活活動が障がいされ、高齢者では閉じこもりの原因となる場合もあります。
おもな原因は、筋の拘縮や、骨の病変、運動不足などにあります。(また、外傷や筋の麻痺などで二次的に起こる場合もあります。)

ROM訓練を行うことで下記の効果が期待できます。

①運動不足によっておこる関節の固まり(専門用語で”拘縮”)を改善していきます。
拘縮がない方でも、日常的に訓練を行い、予防することもできます。

②訓練を繰り返しおこなうことで運動神経や感覚神経を新しく教育し直すことでうごかしやすい身体にしていきます。

③関節を曲げる・伸ばすといった関節本来の機能を取り戻します。

④ 訓練後は血流の改善を促し、痛みやむくみの改善を目指します。

⑤高齢者は加齢により筋力が低下することで様々な弊害が発生します。
そのうちのひとつが筋肉が短くなる(筋短縮)ことで、関節の動きが悪くなったり痛みを感じこともあります。
それらを訓練によって予防し、改善していきます。

⑥ 患者さんが日常生活において繰り返す、身の回りの動作(食事、着替え、トイレ、入浴など)
座る、立つ、歩くといった移動動作がスムーズに行えるようにしていきます。

ROM訓練にストレッチを加えたラクナル式の施術

股関節の可動域の拡大

障がいや加齢によって股関節や周囲の筋肉などが硬くなったり、 股関節を支える筋肉が弱くなると、その結果、股関節にかかる負担が大きくなり、日常の動作や歩行に支障をきたすようになります。痛みが出てから股関節の障害に気付くことも少なくありません。

ストレッチはなかなか一人でやれるものではありません。

専門的な知識をもった専任の施術師が固まった筋肉を上手に伸ばし痛みを出さないよう徐々に股関節の可動域を拡げていきます。

股関節が固い患者さんや、股関節の動きを悪くしている太ももの裏側やお尻の筋肉の部分を柔らかくするために、ラクナル式を使った足裏をストレッチをしつつ足上げをしている効果的な一例です。